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石井美絵子の二次元HOLIC!

Oggi専属モデルの石井美絵子が、実は大・大・大~好き、という二次元の世界について、思い入れたっぷりに執筆するWEBコラム。誌面のファッショナブルなイメージとは違った魅力を、ぜひ堪能してください。

いしいみかこ
スラリとした手脚でどんな服も着こなしてしまう独自の存在感が人気のモデル。2013年1月号より『Oggi』専属。このWEBオリジナルコラムでは、大好きな漫画&アニメについて書き連ね、二次元にも強いという新たなモデル像を提案。また2014年以降、ミュージカルや舞台に出演するなど女優としての活動も活発に。秋には『美少女戦士セーラームーン〜アン ヌーヴォー ヴォヤージュ〜』に出演、セーラープルートを演じた。

モデル紹介▶

Vol.2

ミノタウロスの皿

ウシがヒトを食べる。
その星では、「ズン類=人類」が地球でいう牛の形をしていて、「ウス=牛」が人間の形をしている。
ズン類はウスを、食べるために飼っている。
藤子・F・不二雄先生のこのまんが作品は、こんな設定が出てきます。

その星のズン類とウスは共に知能があり言葉も話すので、
地球での常識が逆転し、その上+α違っていることになります。
そんな星に辿り着いた地球人の主人公は、
牛が人を食べるなんて残虐なことだと言い、その風習をやめさせようとします。

その主人公の姿は読者側、私たち人類に、
"お前たちも生き物を殺して食べているだろう"
"それは残虐なことなんだ"と言っているように感じました。
なぜそのように感じたかと言うと、
私は小学生のころ、スーパーに並んでいるお肉を見ては
「あそこに並んでいるのが私たち人間だったらどう思う?」と
母に何度も訊ねた時期があったからです。

自分がされたら嫌なことをしてはいけない。

という教えからの疑問でした。
自分がされたら嫌なことを牛やほかの動物にはしている。
人間と違って複雑なことを考える知能はないし、言葉も話せない。
だから殺して食べていい...?
私たちはそれでも生き物はみんな同じ命と言われ、命は皆、平等にと教わってきました。

殺して食べることは残虐なことと感じながらも、
「美味しい」と言って食べることの矛盾が頭の隅にあります。
しかしその矛盾によって食事をするたびに暗くなったり悲しんだりしているわけでもありません。
ただ、いつまでも払拭することのできないこの食物連鎖への感情を、
ふとした瞬間に思い出し心苦しくなります。
そんなふうに思うならベジタリアンになればいいと思う方もいるかもしれません。
ですが、私はこの矛盾に白黒をつけたいと思っているわけではないのです。

命を意識して食事をすることと、何も考えずに食事を摂ることは全然違うことだと思っています。

『ミノタウロスの皿』の主人公は、最終的に泣きながら牛の肉を食べています。
この結末にはいろんな解釈があると思いますが、私は、
主人公は己の矛盾、つまり残虐だと思うのに食べていることに涙を流しているのだと思いました。

自分の中に生じる矛盾から目をそむけてはいけない。
命をもらい命を繋いでいる、ということを意識して、
「いただきます」や「ごちそうさま」を言うこと、
そして残さず食べることなどで、
払拭しきれない思いとも共存してゆくことが大切なのではないか――
この作品からそんなことを考えながら、
今日も私は命をいただくのです。

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